分譲マンション空室保有のリスクと対策|転勤・相続時の注意点
分譲マンションを所有されている方が、転勤や相続といった理由で住む人がいなくなり、空室のまま保有するという状況は決して珍しいものではありません。しかし、この空室状態を放置しておくと、様々な問題が生じる可能性があることを認識しておく必要があります。
空室期間が長引くことによる問題点
建物の劣化
人が住まなくなると、どうしても換気が不十分になりがちで、湿気やカビが発生しやすくなります。また、配管が詰まったり、水漏れが発生する可能性も高まります。さらに、建物全体の老朽化も進行し、結果的に修繕費用がかさむことになるかもしれません。
防犯上の問題
空き巣に狙われやすくなるのは想像に難くありませんし、不審者が侵入して悪用される危険性もあります。特に、人通りの少ない場所にあるマンションや、オートロックのないマンションは注意が必要です。
経済的な負担
空室であっても、管理費や修繕積立金は支払う必要がありますし、固定資産税・都市計画税も課税されます。これらの費用は、空室期間が長引けば長引くほど、所有者の負担となってのしかかります。
マンションの価値低下
空室が多い、長いマンションは、管理状態が悪いとみなされることがあります。そうなると、マンション全体の価値が低下し、将来的に売却しようとした際に、希望価格で売却できない可能性も出てきます。
空室保有者が気を付けるべきこと
定期的な管理
定期的に換気を行い、湿気対策をしっかりと行いましょう。水道管の水抜きや、定期的な清掃も必要です。もし、自分で行うのが難しい場合は、管理会社に依頼して、定期的な巡回やメンテナンスをしてもらうのも一つの方法です。
防犯対策
防犯カメラやセンサーライトを設置したり、管理会社や近隣住民との連携を強化し、不審者の侵入を防ぐための対策を講じましょう。
賃貸・売却の検討
空室期間が長期化する場合は、賃貸や売却も検討しましょう。賃貸に出す場合は、信頼できる不動産会社に仲介を依頼し、入居者の審査をしっかり行うことが大切です。売却する場合は、相場を把握し、適切な価格で売却できるように準備を進めましょう。
税金対策
空室期間が長引く場合は、税理士に相談し、税金対策を検討しましょう。不動産所得がある場合は、確定申告を忘れずに行う必要があります。
保険の見直し
火災保険や地震保険に加入しているか確認し、空室の場合に必要な補償内容に見直しましょう。
転勤・相続時の注意点
転勤の場合
転勤期間が長期にわたる場合は、賃貸に出すことを検討しましょう。転勤先から定期的にマンションの状態を確認できるように、管理会社との連携を密にする必要があります。
相続の場合
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行い、マンションの所有者を決めましょう。相続税の申告期限内に、適切な手続きを行う必要があります。相続したマンションを売却する場合は、不動産会社に相談し、早めに売却活動を開始しましょう。
まとめ
分譲マンションを空室のまま保有することは、様々なリスクを伴います。しかし、適切な管理や対策を行うことで、リスクを軽減することができます。空室期間が長期化する場合は、賃貸や売却も検討し、早めに決断することが大切です。